トヨタテクニカルディベロップメント株式会社(TTDC)とパートナー契約を締結しました

自動車産業における乗務員の健康管理・ウェルビーイング向上に向けた取組みを開始

2026年3月25日、ハプキタス株式会社(代表取締役:和田潤、所在地:京都市伏見区)は、トヨタテクニカルディベロップメント株式会社(TTDC)とパートナー契約を締結いたしました。

TTDCは、自動車の試験・評価・開発支援を手がけるトヨタグループの技術会社です。今回の連携を通じて、弊社が開発するペインコンパス®を活用し、自動車産業における乗務員の健康管理・ウェルビーイング向上に資する新しいアプローチを共同で探求してまいります。


■ 連携の背景

慢性的なストレスは、脳の感受性閾値を静かに変化させます。その変化は外見からは判断できず、本人も自覚のないまま蓄積されることが多く、健康起因の事故リスクや作業効率の低下につながることが知られています。

従来の健康管理では、問診票や主観的な自己申告に依存することが多く、脳の感受性変化を客観的に把握する手段が限られていました。ペインコンパス®が計測する「中枢性感作スコア」は、この課題に対して新たな客観指標をもたらすものです。


■ ペインコンパス®について

ペインコンパス®(Pain Compass®)は、サーマルグリル錯覚(Thermal Grill Illusion:TGI)を応用した感覚計測装置です。慢性ストレスによる脳の感受性変化(痛覚変調性疼痛 / Nociplastic Pain)を、非侵襲・約30秒で定量評価し、中枢性感作の度合いを0〜100のスコアとして可視化します。

現在、医療・リハビリテーション・産業保健など20以上の施設・研究機関に導入されており、以下のエビデンスが蓄積されています。

  • 再現性(信頼性):ICC(3,1) = 0.854
  • プレゼンティズム識別能:AUC = 0.824
  • 既存機器との相関(並行妥当性):r = 0.662
  • 健常者におけるTGI誘発率:67.3%

※出典:佐々木遼ら, 第23回日本神経理学療法学会学術集会(2025)/ 第8回日本産業理学療法研究会(2025)

特許出願番号:特願2023-196398(特開2025-064865)
商標登録番号:登録第6929262号


■ 連携の取組み

今回のパートナーシップでは、以下の3つの取組みを推進してまいります。

① 実証・データ収集
TTDCデジタル開発センター環境でのペインコンパス®計測実証を実施します。乗務員・整備スタッフを対象として、ストレス・疲労指標との相関データを蓄積し、自動車産業特有の評価モデルの基盤を構築します。

② ユースケース開発
乗務前健康スクリーニングや長距離運転リスク管理など、自動車産業のニーズに即した健康管理活用モデルを共同で開発します。「運転前に、脳の健康状態を知る。」というコンセプトのもと、中枢性感作スコアによるドライバーリスク評価の新しい枠組みを追求します。

③ 事業連携・情報発信
2026年4月には、TTDCデジタル開発センターのパートナー企業展示に出展し、関係各社への製品紹介を行いました。今後もTTDCとの協力のもと、情報発信・製品導入・代理店展開に向けた協議を継続してまいります。


■ 今後の展望

ハプキタス株式会社は、2023年9月の創業以来「触覚や感覚の可能性を、誰にでも・どこにでも届ける」という理念のもと、感覚計測技術の社会実装に取り組んでまいりました。

今回のTTDCとのパートナーシップは、医療・リハビリテーション分野での実績を産業・モビリティ領域へ展開する重要な一歩です。自動車産業という大きなフィールドでの実証を積み重ねながら、「走る現場の安全と健康」への貢献を目指してまいります。